ホームレス時代がどんどん過去のものとなり、記憶がだんだんと美化されてくる。けれどもある時ふっとした瞬間にあの寒空を思い出す。
どうやって生きていたっけ。
〝子供達とまた一緒に暮らすと言う夢と希望〟を夢物語にしないためだけに足掻いたと思う。
そう言えば先輩ホームレスの方に袋ラーメンをおすそ分けしてもらった事もある。
「あんたさぁ、まだ、早すぎんとちゃう?」って言われて雑談をしながら一緒に袋ラーメンを食べた。貴重な食料だったろうに。菩薩さまか天使だったのかな。
いまは一般的に普通と言われるものを(家があるとか)手に入れて家族と暮らすことが出来るようになり、今更ながらに怖くなる。
もう家のない生活はしたくない。
切っ掛けは前夫との離婚だったけれど、何であろうが私の計画性の無さだ。後先考えずに行動してしまった。人生を遠回りしてきたように思う。でも、その遠回りのお陰でたくさんの人に出会えたかと思うと、複雑でもあるけれど人生捨てたもんじゃないと思う。
そんなこんなでホームレス中に私は今の仕事に繋がるキッカケになる会社に就職しました。その時、なんだが未来に対して希望を持ったのか、とても嬉しくて私は自分へのご褒美にカップヌードル・カレー味を買って食べたのです。袋ラーメンより高いのに。今でも好きなカレー味。美味しかったカップラーメン。たまに食べたくなる。
今日はなんとなく前にも食べた味噌味を買ってきた。そのうち食べよう。カレー味はいつでも、食べられるようになったんだ。